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−渉外戸籍−

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「日本人の実子の在留資格申請手続き。国際結婚夫婦の実子でも日本国籍では
ない場合。準正とは? の話もしています」


「国際結婚した夫婦の嫡出子。
どこの法律で嫡出子と判断されるのか。父未定の子とは?」


「国際結婚カップルの子ども。認知と非嫡出子。
親子関係はどこの国の法律で成立し、認知はどこの国の法律でできるのか?」


親の双方又は一方が外国人の場合、生まれてきた子どもの出生届けや認知届は、 どうしたら、良いか、です。

1 出生
2 認知
  (1)フィリピン人女性との間の子どもを認知するためには?
  (2)中国人女性との間の子どもを認知するためには?
  (3)タイ人女性との間の子どもを認知するためには?
3 子の出生届けで、外国人母は偽装旅券で入国した名前を記載。本当の名前に訂正したい
4 離婚した前夫の戸籍に記載されている、私のミドルネームを訂正したい
5 離婚した前夫の間の子どもの親権を、外国人母である、私に変更したい
6 前婚中に出産した子どもは、現在の日本人の夫の子なので、正式に認められたい
7 法律用語の解説、注意点
  (1) 渉外的親子関係の成立


  1 出生

   生まれてきた子どもが嫡出子か、どうかについて。
   日本の民法では、婚姻中に生まれた子どもは、嫡出子としています。
   「妻が、婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」という条文があるからです。
   日本人と外国人の夫婦、外国人同士の夫婦の場合、子どもの出生当時の夫婦の一方の本国の法律で、
   子どもが嫡出子としているときは、その子どもは嫡出子となります。
   父母の一方が日本人のときは、日本の民法によって判断します。
   日本の民法上、嫡出子とならないときでも、外国人親の本国法で嫡出子となるときは、
   日本においても嫡出子として取り扱いことはできます。
   各国の法律によって違いますが、一般的な考えでは、父母が婚姻中に出生した子どもは嫡出子、
   父母が婚姻関係に無いときに出生した子どもは、嫡出子ではない、となります。
   又、日本の民法では、婚姻解消後300日以内に出生した子どもは、夫の嫡出子として推定されますが、
   国によっては、婚姻解消後300日を超えて出生した子どもは、夫の嫡出子と認めている国もあるようなので、
   上述の取り扱いを可能としています。
   又、外国人女性の待婚期間に絡むケースもあります(女性の待婚期間の無い国です)
   例えば、中国人同士で結婚しており、離婚した場合です。
   中国人女性は、待婚期間が無いため、中国では、六ヶ月経過しなくも再婚が可能です。
   1 中国で、先に婚姻手続き
   2 日本で、婚姻手続き(日本の待婚期間の六ヶ月経過していなくても受理されます)
   その後、
   3 中国で、前婚の離婚後300日以内に、後婚の夫の子どもを出産
   4 中国で、後婚の夫の嫡出子として出生届け
   5 日本で、後婚の夫の嫡出子として出生届けは受付られる可能性はありますが、
   事前に、日本側での確認が必要です。
   中国は、父子関係については事実主義(公証人の面前で宣言)で、夫婦間の子供は嫡出子推定を
   採用していると思われているので、中国では後夫の嫡出子なりますが、
   中国人の前夫の嫡出性を否認してくれ、と言われる可能性はあるかもしれませんが。
   「認知調停」で進められれば良いのですが、「父を決める訴え」や「強制認知の訴え」になるかもしれません。

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  2 認知

   婚姻によらないで、出生した場合、非嫡出子となります。
   嫡出でない子どもの親子関係の成立は、父子関係については、
   子どもの出生当時の父の本国法によります。
   母子関係については、子どもの出生当時の母の本国法によります。
   母は、分娩、という事実がありますが、父についてはどうなるのでしょう?
   二つの考え方があり、認知による父子関係の成立と事実主義のよる父子関係の成立があります。
   嫡出でない子と血縁上の父との親子関係については、
   父が自分の子であるあることを承認する意思を表明し、
   それによって親子関係が成立させるのが、認知制度です。
   血縁関係が客観的に証明されれば、法律上も親子関係を認めるとするのが、事実主義です。
   日本は、ご存知のとおり、認知主義を採っています。
   ですので、子どもが、事実主義を採用している外国人母の子どもでも、日本人の父の認知がなければ、
   父子関係が認められないことになります。

   日本国内で認知届を提出するときは、
   当然ながら、母親が、出生時に独身であることが必要です。
   ちなみに、母親が離婚した後、出生した場合、離婚後300日以内に出生した子どもは、前夫の子どもとなり、
   認知届けが受理されないこともあります(後婚の成立後、200日以内に出産しても)
   又、認知届を提出するときは、相手国の保護要件を満たしていなければならないです。
   それで、父子関係について、相手国が上記の認知主義を採用しているのか、
   事実主義を採用しているのか、で判断します。
   事実主義の場合は、保護要件は必要ないです。
   認知主義の場合は、保護要件として、例えば、「母親の同意が必要」としていれば、
   母親の同意が必要となり、同意書を提出する必要があります。
   しかしながら、法務局戸籍課や市区町村役場戸籍課でも、どちらを採用しているのか?把握していない国も、
   少なからず、あるようです。
   (ア)認知後ですが、子どもの在留資格は得られます。
     在留資格は、「日本人の配偶者等」または「定住者」で、日本国籍も得ることができます。
   (イ)認知をしたときに、子供が未成年で未婚で、親の扶養が必要な状況であれば、
     外国人の母親は、日本で養育することを条件に、在留資格を得られる可能性があります。
     わからなければ、直接、問い合わせしてください。
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   (1)フィリピン人女性との間の子どもを認知するためには?
   フィリピンは、事実主義を採用しています。
   ですので、日本の市町村役場戸籍課で認知届を提出するときに満たさなければならない、
   相手国の保護要件はないです。
   必要な書類は
   ・ 子の国籍証明書
   ・ 子の出生証明書(父親の氏名は、認知する者と同じであること)
   ・ 子が成年に達している場合は子の承諾書
   (フィリピンの成人年齢は18歳のため、18歳以上の場合は必要)
   ・ 母の国籍証明書
   ・ 母の婚姻証明書(子の懐胎から出産まで、婚姻していないこと)
   ・ 上記書類の日本語訳
   ・ 父親の戸籍謄本
   母子が、日本に滞在していないときも、受理してもらえることもあります。

   日本人と離婚したフィリピン女性との間の子どもを認知するためには?
   日本人との離婚が成立したときは、
   フィリピン女性は、フィリピンの裁判所で離婚承認を受けなければなりません。
   認知届の場合は、女性は独身であることを証明しなければなりませんが、
   フィリピンでは、上記の手続きを経なければ、独身には戻れません。
   便宜的な方法として、提出書類が、
   前配偶者との結婚証明書(フィリピンで創設的婚姻手続きをしているとき。
               Marriage Contract)
   前配偶者との結婚報告書(日本で創設的婚姻手続きをしているとき。
               Report of Marriage)
   のどちらか。
   前配偶者の離婚記載のある戸籍謄本、又は離婚届受理証明書
   婚姻記録証明(Advisory on Marriage)
   だと受理してもらえる可能性はあります。
   ただし注意して欲しいのが、日本人のみとの婚姻・離婚です。
   尚、区市町村役場から、前配偶者の離婚記載のある戸籍謄本、又は離婚届受理証明書 と
   フィリピン側の婚姻記録証明(Advisory on Marriage) だと、
   フィリピン側の未再婚しかわからないので、日本国内で、未再婚を確認するために、
   ・離婚後、住所登録している全部の市区町村役場より「婚姻届けを提出していない」旨の証明書
   を提出してほしい、と求められる可能性があります。

   日本で認知が成立すれば、子が20歳未満であれば、国籍取得届
   子が20歳以上であれば、帰化許可申請となります。
   その結果、国籍が二重国籍なる場合は、
   20歳未満で国籍を得たときは、22歳になるまで、
   20歳に達した後に国籍を得たときは、そのときから2年以内に、
   国籍の選択をしなければなりません。

   2022年4月より、未成年の年齢が18歳未満に引き下げられる予定です。
   ですので、20歳が18歳に置き換わる予定となっています。

       日本国籍の取得

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   (2)中国人女性との間の子どもを認知するためには?
   中国は、事実主義を採用しています。
   ですので、日本の市町村役場戸籍課で認知届を提出するときに満たさなければならない、
   相手国の保護要件はないです。
   ・ 母の国籍証明書
   ・ 母の出生証明書
   ・ 母の未婚証明書
   ・ 母に離婚歴がある場合は、離婚証明書
   ・ 上記書類の日本語訳
   ・ 父親の戸籍謄本
   母子が、日本に滞在していないときも、受理してもらえることもあります。

   認知は必要のないケース
   例えば
   2013年8月 日本人男性と中国人女性が、中国で創設的婚姻
   2013年11月 中国で実子が生まれる
   2014年2月  日本で報告的婚姻
   2014年6月 母子が入国し在留

   2013年8月が婚姻成立日となるので、
   実子は、嫡出子推定が適用されるので、認知届はできない、意味が無い。
   この場合は、国籍再取得届となる。

   日本で認知が成立すれば、子が20歳未満であれば、
   国籍取得届(上記の国籍再取得と違います)
   子が20歳以上であれば、帰化許可申請となります。
   その結果、国籍が二重国籍なる場合は、
   20歳未満で国籍を得たときは、22歳になるまで、
   20歳に達した後に国籍を得たときは、そのときから2年以内に、
   国籍の選択をしなければなりません。

   2022年4月より、未成年の年齢が18歳未満に引き下げられる予定です。
   ですので、20歳が18歳に置き換わる予定となっています。
   このケースは、日本人の実子として、在留資格の手続きになります。

       日本国籍の取得

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   (3)タイ人女性との間の子どもを認知するためには?
   タイは認知制度があるとされています。
   真実の父であることについての子と母親の同意(異議のないこと)が必要とされていますが、
   父親が母親と婚姻しているか、どうか、によって、方法が違います。

   A 父親と母親が婚姻しておらず、更に、子が認知に対する同意する意思能力がない場合、
   父がタイ国裁判所に対して、子の同意に代わる後見的許可を求め、
   裁判所の許可相当とする司法命令を得ることで、保護要件を満たす、
   となっています(意思能力があると判断された場合は、子の同意書でかまわない)。
   ですので、通常は、タイで創設的認知、日本では報告的認知になるようです。

   B 父親と母親と婚姻している場合は、タイでは、父の法律上の子としての取り扱いになり、
   父の認知は不要となるとのことで、日本国内では、子の同意書で創設的認知届が可能です。
   ・子の住居登録証
   ・子の出生証明書
   ・母親の独身証明書(子の出生時に独身であったことがわかる書面)
   以上、3つはタイ外務省の認証が付されているもので、
   更に、タイ外務省の認証した英語訳文。日本語も。
   ・子と母親の認知に関しての同意書
   (認知されることに対して同意する旨の文章を、タイ語または英語で書き、日本語訳)
   ・母親と子の国籍証明書やパスポートの個人情報ページのコピーの提出の有無は、
   届出予定の市区町村役場に問い合わせてください。
   ・尚、子や母親が、日本に入国せずに進めることも可能とのこと。
   ・日本人の父親の戸籍謄本(母親との婚姻が記載されていることがわかる)

   尚、タイ女性との婚姻手続きですが(同時での手続きも可能)、
   タイ女性の必要な書類として、
   ・独身証明書
   ・住居登録証
   ・出生証明書
   タイ外務省の認証が付されているものに、タイ外務省の認証した英語訳文。
   そして、日本語訳も必要。
   ・タイ女性が日本に居住しているのであれば、在日本のタイ大使館の婚姻用具備証明書。
   ・タイ女性が、日本に入国せずに進める場合、
   あらかじめ、婚姻届にサインをもらうこと、
   そして、在日本にタイ大使館から婚姻要件具備証明書をされない申述書
   を記載し提出します。

   日本で認知が成立すれば、子が20歳未満であれば、国籍取得届
   子が20歳以上であれば、帰化許可申請となります。
   その結果、国籍が二重国籍なる場合は、
   20歳未満で国籍を得たときは、22歳になるまで、
   20歳に達した後に国籍を得たときは、そのときから2年以内に、
   国籍の選択をしなければなりません。

   2022年4月より、未成年の年齢が18歳未満に引き下げられる予定です。
   ですので、20歳が18歳に置き換わる予定となっています。

       日本国籍の取得

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  3 子の出生届けで、外国人母は偽装旅券で入国した名前を記載。本当の名前に訂正したい

  Q 私の恋人は、オーバーステイの外国人女性です。偽造旅券で入国しました。
   その前に、本当の名前で入国し、そのときに私と知り合い、いったん、帰国しました。
   今回の偽造旅券で入国後、子どもが授かりました。子どもは胎児認知していたので、
   生まれたときから日本国籍です。
   ただ、子どもの認知届にも出生届けにも、本当の名前にするには、どうしたら良いのか,わからず、
   偽造旅券の名前を記載しました。
   ですので、子どもの戸籍の母親の名前は、本当の名前ではありません。
   恋人との婚姻届は、本当の名前で提出したく、又、子どもの戸籍の母親の名前も訂正したいのです。


  A 訂正は可能かと思います。
   偽造旅券で入国し、本当の名前での証明手段がないため、偽造旅券の名前で、
   子どもの認知届の母親欄に記載し、更に、出生届けにも、そのようにした、ということですね。
   子どもの認知届については、外国人母の場合、パスポート等の証明書類が必要ですので、
   それを提示するしかなかった、ようですね。
   胎児のときに認知すれば、出生時から日本国籍になります。
   その後、出生届けを提出したときに、二人が婚姻していれば、
   父親であるあなたの戸籍に入籍できますが、
   婚姻していない状態の子どもですので、子どもは、独自の戸籍を持ちます。
   それで、その戸籍には、父親欄はあなたの名前、母親欄は偽造旅券での名前が、
   記載されているわけですね。
   この場合は、家庭裁判所に戸籍訂正許可の審判の申し立てをします。
   おそらく、家庭裁判所では、提出された書類から、調査すると思いますし、
   あなたのご自宅に行くか、家庭裁判所に呼んで、インタービューしたりして、事実確認をすると思います。
   ポイントになるのが、前回は本当の名前での入国、今回は偽造旅券での入国なので、
   ・ 一人で二つの名前を使用していますので、どちらが本当の名前なのか?
   ・ 前回の本当の名前で入国した女性と、今回の偽造旅券で入国した女性は、同一人物なのか?
   ・ 偽造旅券を使用した女性は、間違いなく子どもを出産した母親なのか?
   ・ 前回の本当の名前で入国した女性は、間違いなく、子どもの父親と、その入国時に知り合い、
     交際したのか?
   になると考えます。
   そのものズバリの証拠があり、証明できれば良いのですが、簡単では無いと思うので、
   一つ一つは細かく小さなものでも良いから、証明する必要がある、と考えます。
   それで、家庭裁判所から戸籍訂正許可の審判がでましたら、
   子どもの戸籍の母親欄の名前の訂正をします。
   たぶん、この戸籍訂正許可の審判は時間がかかると思います。
   ですので、先に、子どもの母親である恋人との婚姻手続きは終了し、
   あなたの戸籍の身分事項に、婚姻について記載されていると思います
   (婚姻のときに準備する書類と家庭裁判所に提出する書類は、かなりの部分は重なるから、と考えます)。
   子どもの戸籍の母親欄が訂正された後は、今度は、子どもをあなたの戸籍に入籍します。
   これで、あなたの恋人は妻として、あなたの子どもは嫡出子の身分となり、あなたの戸籍に記載されます。
   尚、外国人の奥さんは、あなたの戸籍に入籍、ではないです。


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  4 離婚した前夫の戸籍に記載されている、私のミドルネームを訂正したい

  Q 私は、フィリピン女性で、日本人と結婚したものの離婚しました。
   実は、前夫の戸籍に記載されている私のミドルネームが違っていまして、
   前夫には内緒で訂正したいのですが、それは可能でしょうか?


  A 可能かと思います。
   あなたの独身時の名前は、「アンジェリア デイビット アキノ 」で、戸籍には、
   「アキノデイビット、アンジェリア」と記載するところを、「アキノドゥエンス、アンジェリア」と、
   夫が誤って申告し記載されてしまった、ということですね。
   あなたの出生証明書を取り寄せ、日本語に翻訳したものと一緒に、家庭裁判所の戸籍訂正の審判を
   申し立てることになる、と思います。
   前夫の軽微な錯誤、ということであれば、家庭裁判所では、訂正の判断をしてくれるかもしれません。
   ただ、前夫に内緒、というわけにはいかない、と考えます。


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  5 離婚した前夫の間の子どもの親権を、外国人母である、私に変更したい

  Q 私は、フィリピン女性で、日本人と結婚し、子どもを授かったものの離婚しました(子どもは日本国籍)。
   離婚したときの在留資格は「永住者」で、子どもをとられたくなかったので、フィリピンの親に預けました。
   前夫が親権者になることと、養育費を払うことが条件で、離婚しました。
   その後、前夫は養育費を払ってくれず、私が、アルバイトをして、約3年、フィリピンに送金していました。
   又、その間、定期的に、子どもに会いに渡航しています。
   このたび、正社員として採用され、生活が安定したので、子どもを呼び寄せました。
   それで、親権を私に変更したい、と思っています。


  A 親権変更は可能、と考えます。
   婚姻中に出生した子の親権者変更ですが、
   法の適用に関する通則法32条が適用され、原則として、子の本国法が適用されます。
   32条の要旨ですが、親子間の法律関係は、子の本国法が、
   父又は母の本国法(父母の一方がいなときは、他の一方の本国法)と同一であるときは、
   子の本国法その他の場合は、子の常居所地法による、となっています。
   又、法の適用に関する通則法38条1項但し書から、子どもがフィリピン国籍も持ち、
   二重国籍になっている場合は、日本法が本国法になりますので、
   日本の民法が準拠法になる、と考えられます。
   そして、父、母、子どもの全員が、日本に在住していますので、
   家庭裁判所に親権変更の申し立てをすることになる、と思います。
   父親である前夫は、親権を行使できない状況であったことは割り引いて考えないとなりませんが、
   今まで、あなたがフィリピンに送金していたこと、定期的に渡航していたこと、
   今度、正社員に採用され生活が安定したこと、現在は子どもと一緒に生活をしていること、は考慮される、
   と考えます。
   ただ、前夫が、親権を変更してもよい、と考えているか、どうか、
   又、子どもが、意思の疎通ができる年齢であれば、
   子ども自身がどのように考えているか?も家庭裁判所側で確認して、決定することになる、と考えます。


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  6 前婚中に出産した子どもは、現在の日本人の夫の子なので、正式に認められたい

  Q 私は中国人女性で、現在は日本人男性と結婚しています。以前、中国で中国人男性と結婚していました。
   別居中から現在の夫と交際し、離婚前に子どもを出産しました。
   子どもは中国国籍で、現在、日本に住んでいますが、正式に、現在の夫の子どもにしたい、と思っています。


  A 日本の家庭裁判所で、認知調停(又は親子関係存在確認の調停)になるか、と思います。
   中国の法律では、日本のように認知制度がなく、事実主義を採用していますので、
   事実上の父子関係が証明されれば、法律上の父子関係が認められるようです。
   ただ、婚姻中の女性が出産した子は、事実上、夫の子と推定されるので、
   これを覆して夫以外の者が父と認められるのには、人民法院に父子関係確認の裁判を提起して、
   その判決を得ることになっているようです
   (ただ、このような親族的な身分関係の場合は、証拠書類に基づいて、
    公証人の裁量によって、公証書が発給されることもあるようです)。
   では、当事者である日本国籍の父、中国籍の母、中国籍の子どもが、日本に住んでいるので、
   日本の家庭裁判所で手続きができないか?となります。日本の家庭裁判所には、認知調停制度があり、
   婚姻関係にない父と母の間に出生した子を、父は認知しない場合には、
   子(未成年であれば、法定代理人である母)などから、父を相手とする調停です。
   当事者双方の間で「子どもは、父の子である」、という合意ができ、
   家庭裁判所が必要な調査等を行ったうえで「正当である」と認めれば、
   合意に従った審判がなされる制度です。
   そちらを利用されたらどうか、と考えます。
   もし、利用できた場合、当時の状況から、妻が、前夫の子どもを妊娠する可能性が無いことが
   客観的に明白であることの証明資料を提出(例えば、別居していて性的交渉がなかった等々)、
   申立人独自でDNA鑑定しその資料を提出したら、どうか、
   (DNA鑑定については、事前に、家庭裁判所に相談されたほうが良いです)と考えます。
   当時の状況を証明するのは申立人なので、「家庭裁判所で勝手に調査してくれ」、
   と言うわけにはいかないです。
   日本と中国の間の出来事なので、日本国内と違って、証明は難しいかもしれませんが。

   フィリピンも父子関係は、認知制度はなく事実主義を採用しています。
   又、婚姻中に出産した子は、夫の子と推定されます。
   認知調停(又は親子関係存在確認の調停になる)、と思います。


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  7 法律用語の解説、注意点

   (1) 渉外的親子関係の成立
   法に関する通則法第28条1項は、夫婦の一方の本国法で子の出生当時における
   ものにより子が嫡出となるべきときは、その子は嫡出のある子とする
   としていて、子の出生当時における夫の本国法又は妻の本国法の選択的連結を
   していて、子がいずれか一方の本国法により嫡出とされるときは、嫡出子とする
   ものとしています。
   非嫡出子(通常、法律上の婚姻関係にない父母から出生した子)については、
   法に関する通則法第29条第1項前段より、嫡出でない子の親子関係の成立は、
   父との間の親子関係については、子の出生当時における父の本国法により、
   母との間の親子関係については、子の出生当時における母の本国法による、
   としています。
   ・事実主義———出生という事実によって生じる法制(血縁上の親子関係が
   ある場合には、認知を要件とすることなく、法律上の父子関係を認める)
   ・認知主義———認知によって認める法制
   がありますが、その両方が適用されます。
   事実主義と認知主義は、日本の例にたとえるとわかりやすく、
   母子関係は事実主義、父子関係は認知主義です。


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折本 徹 行政書士事務所

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